2003/11/01 (Sat)

●KillBillを観てきた
クエンティー・タランティーノ監督の1ファンの自分としては、お世辞抜きで二時間（良い意味でも悪い意味でも）笑いっぱなしで楽しませてもらった。いやー、最高ダネ。クールダネ。


KillBillに興味がある人へ忠告。

・理屈っぽい方だ。
・物語重視の映画が好きである。
・メリケンの格好良さについていけない。
・米国風の勘違いした日本観が嫌いである。

上記のウチ二つ当てはまるなら、もしかしたらあなたはKillBillが楽しめないかもしれない。

以下ネタバレアリ。ご注意。

まずこの映画を「理屈」で考えてはならない。この映画は「監督がこのような画を録りたかった」「格好良ければよい」「むしろ俺（※タランティーノ）のこの画は格好いい」という空気に充ち満ちていて、基本的に物語の理屈は全て後付けである。と、いうより理にかなっていない。すべては「格好良ければいい」で片づけられるのである。

次に大まかな筋はあるものの、物語自体が「荒唐無稽」の極致であり、物語自体を楽しみたい人にはまず向いていない。KillBillはシーン毎の「格好良い」演出を楽しむための映画である。

また全編を通して登場するハリウッド的勘違い日本観は（ある意味）素晴らしいの一言である。日本には絶対無いであろう「アジア的」な飲食店。全く刃こぼれのしない「ハットリハンゾウ」製のうさんくさい刀。ヤクザのボスがなぜか中国系アメリカ人（※一応理由付けはされているが……）。刀しか使わないヤクザたち。しかも滅茶苦茶に弱い。英語のネイティブスピーカーたちによる片言の日本語会話。飲食店の”二階”にある雪の積もった日本風庭園。しかもシシオドシの音が妙にニブい（ゴトンといった風合い）。
もう全てに於いて間違っている。もう「なんでやねん！」と突っ込みを入れまくりたいくらいに間違っている。このオカしな日本観を「笑い飛ばせる」ような人でないと、たぶん楽しむのは難しいだろう。


しかしこの映画、よく全米で一位を録ることが出来たな。タランティーノの好きな映画のオマージュだらけだし、自身の映画のパロディ（なのかな？）もあるし、タランティーノによるタランティーノの為のタランティーノ映画と言い切ってもいいくらいのタランティーノオナニー映画なのにさ。
世の中って不思議でイッパイだね。あははははｈ。