2004/01/11 (日)

2004/01/11 (Sun)

感想
スタンリー・キューブリック作品「バリー・リンドン」を鑑賞した。

まずこの映画がどういった内容かというと

・前半部:バリー・リンドン氏の出世物語
・後半部:停滞した貴族生活。そしてバリー氏の転落人生

といった風合い。

前半部はともかく戦乱の世で、主人公バリー・リンドンはとある事件を起こし故郷を追われ、(若いこともあって)憧れの英国軍兵士になるものの、空想上の戦場と、実際のそれとのギャップ、そして自分の命大事さに脱走。
脱走してしばらく放浪したのち、同盟国プロイセンの将校に「脱走兵」と見破られ、捕虜および兵士としてこき使われる……。その後賭博師と手を組みプロイセンを脱走。ベルギーにて今にも死にかけている老貴族の婦人と恋に落ち……後半部へ。

後半部は兎も角、鬱っ気満載な貴族生活で、バリー・リンドン氏は莫大な財産と土地を得たのだが……人生の失敗のつけは貯まっていき……息子の死を境に怒濤のように転落していく。

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この映画、ともかく終始映像が美しかった。前評判通り。

内容については……前半部で人生の絶頂を迎え、その後は転落して行くのみな主人公に感情移入出来るかどうかが少し難しいと感じた。「奥さん放って浮気してんな!」「おいおい、前夫の息子に折檻するなよ!」と何度も突っ込みを入れたくなったし。

ちなみにこの映画の言いたいことを一言で要約するなら、
エピローグの「美しい者も醜い者も今は同じ全てあの世」が相応しいだろう。正直、この言葉が表示されたときは吹き出してしまったよ。

なるほど。確かにその通りだ、ってね。

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とりあえずこの映画は派手なハリウッド映画が好きな人にはオススメしない。ゆっくりじっくり美しい映像と、憂鬱な物語を楽しめる人にだけオススメしたい。

というか、キューブリック作品で万人に薦められるような作品ってあるのかな。映画鑑賞が趣味ではない普通人に「オススメの作品ってある?」って聞かれたら何を薦めればいいんだろう?

……ない。

……ないよ。

……ないって!

手放しに「これオススメだよ」って言える作品がない!

キューブリック作品、人を選びすぎ。そしてストライクゾーン狭すぎ。
修正してwwwwwww