2004/08/27 (金)

タイ映画のマッハ!!!を観てきた

1000円で鑑賞できる日だったので。

いや、素直に面白かった。香港・インド映画に通ずるアクション、展開、そして気持ちほど早いテンポ。ダレることなく最後まで楽しむことが出来た。

この映画、ともかくアクションが激しい。そしてメチャメチャ痛そうだ。主人公がムエタイの達人とはいえ、ひじやヒザでボコボコ殴るシーンを見ていると、役者さんケガしていないのか?と心配にすらなってくる。エンドロールの際に流れる撮影シーンでは、主人公役の役者さんが幾度も怪我をしているようだった。友人曰く「主人公役の人はこの映画のために5年鍛錬した」と言っていたが、5年鍛えても怪我は絶えなかった様だ。
……おっそろしい映画である。

ところでこの映画はタイならではの仏教観が面白い。まず物語の中心が「盗まれ像の頭」を取り返す、日本にはない発想でイイ。
日本はもちろん信仰の自由は認められているが、マジョリティーは仏教と土着信仰的な神道であり、仏教的な観念はタイと同様に日本にもあるはずだが、今の日本で「盗まれた仏像の頭を命がけで取り返す」という主題で映画を撮るのは非常に困難であろう。
私は、主人公たちの心情は理解できたのの、そこまで必死になるものだろうか?と少し疑問を抱いてしまった。

ところで、主人公の村を出た人間が、バンコクですさみきった生活をしているのが、裏読みすると都会を批判しているようで面白い。
慎ましく生きろという監督の哲学が、この映画を通じて伝わってくる(気がする)。
キノセイかもしれないが。

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言葉の壁と文化の壁が結構大きい今作であるが、ハリウッドにない魅力の詰まった娯楽映画なのでゼヒ鑑賞してもらいたい。